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B種接地抵抗の求め方
150/Ig と1線地絡電流の計算

B種接地抵抗の許容値は、1線地絡電流 Ig と遮断時間で決まります。

この記事の要点

  • 手順は4つ。使用電圧 → Ig → 遮断条件から Vm を選ぶ → RB ≦ Vm ÷ Ig。

1. B種接地とは

高圧又は特別高圧の電路と低圧電路を結ぶ変圧器に施す接地です(電気設備技術基準の解釈 第24条第1項)。高圧・特別高圧が低圧に触れる(混触)事故で、低圧側の対地電圧が上がるのを抑えます。接地する箇所は次のいずれかです。

高低圧混触時の地絡電流の流れ 変圧器の高圧側と低圧側が混触すると、地絡電流 Ig が変圧器の低圧側のB種接地 RB を通って大地に流れる。低圧側の対地電圧の上昇分は RB × Ig。 変圧器 高圧側 低圧側 混触 B種接地 RB 地絡電流 Ig 大地 高低圧混触時の地絡電流の流れ 変圧器の高圧側と低圧側が混触すると、地絡電流 Ig が変圧器の低圧側のB種接地 RB を通って大地に流れる。低圧側の対地電圧の上昇分は RB × Ig。 変圧器 高圧側 低圧側 混触 B種接地 RB 地絡電流 Ig 大地

Ig が RB を流れると、RB × Ig が低圧側の対地電圧の上昇分です。これを Vm 以下にする条件が RB ≦ Vm ÷ Ig になります。

2. 許容値の決まり方

出典:電気設備技術基準の解釈 第17条第2項第一号 17-1表。300 ÷ Ig・600 ÷ Ig を使えるのは、高圧または35,000V以下の特別高圧の電路と低圧電路を結合する変圧器
自動遮断装置の遮断時間Vm〔V〕許容値 RB〔Ω〕
1秒を超え2秒以下300300 ÷ Ig 以下
1秒以下600600 ÷ Ig 以下
上記以外(装置なし、35,000V超の特別高圧を含む)150150 ÷ Ig 以下

遮断時間は、混触で低圧電路の対地電圧が150Vを超えたとき、自動的に高圧側(特別高圧側)の電路を遮断する装置のものです。17-1表は、遮断時間が短いほど大きい値(300 ÷ Ig・600 ÷ Ig)を認めています。

3. 1線地絡電流 Ig の求め方

V′ = 公称電圧 ÷ 1.1
Ig = 1 + (V′/3 × L − 100) ÷ 150 + (V′/3 × L′ − 1) ÷ 2
出典:電気設備技術基準の解釈 第17条第2項第二号ロ 17-2表(中性点非接地式の高圧電路)
記号意味単位
Ig1線地絡電流(小数点以下切り上げ、2A未満は2A)A
V′公称電圧を1.1で除した電圧kV
L同一母線に接続される高圧電路(電線にケーブルを使用するものを除く)の電線延長km
L′同一母線に接続される高圧電路(電線にケーブルを使用するものに限る)の線路延長km

第2項・第3項は、負になる場合は0とします。Ig は実測値でもかまいません(第二号イ)。中性点接地式・中性点リアクトル接地式には別の式があり、本ページでは扱いません。17-2表は高圧電路用です。特別高圧電路の Ig は実測値か線路定数等による計算値で、この式は使えません(第二号ハ。6章)。

同じ延長なら、ケーブルのほうが Ig に効きます(÷2 と ÷150)。

4. 計算の手順と例題

条件:公称電圧 6600V、架空の電線延長(L)1km、ケーブルの線路延長(L′)5km。

  1. 使用電圧:V = 6600 ÷ 1.1 = 6000V = 6.0 kV。V/3 = 2.0
  2. 架空の項:(2.0 × 1 − 100) ÷ 150 = −0.65。負なので 0
  3. ケーブルの項:(2.0 × 5 − 1) ÷ 2 = 4.5
  4. Ig = 1 + 0 + 4.5 = 5.5 → 小数点以下切り上げで 6 A
  5. 許容値:遮断時間の条件に当たらない場合 150 ÷ 6 = 25 Ω、1秒を超え2秒以下 300 ÷ 6 = 50 Ω、1秒以下 600 ÷ 6 = 100 Ω

ツールの既定値(6600V、L = 2km、L′ = 0.5km)は、計算値が 1 で2A未満のため Ig = 2A、150 ÷ 2 = 75Ω です。

B種接地抵抗の計算ツールに上の条件を入力すると確認できます。

5. 実務の注意

自営線が長いとき

再エネ設備などで自営線(ケーブル)が長いと、Ig が大きくなり、許容値は小さくなります。ケーブルは架空線より対地静電容量が大きく、地絡時に流れる電流が大きいためです。L′ は同一母線に接続される高圧電路のケーブルの線路延長なので、自営線のケーブルも、同じ母線につながる配電線のケーブルと合わせて数えます(17-2表の備考)。ケーブルの項は L′ に比例して増え、6.6kV では1kmあたり約1A です。

6600V、架空の電線延長 L = 2km の場合。L′ だけを変えた(ツールの計算と同じ)
L′〔km〕Ig〔A〕150 ÷ Ig〔Ω〕300 ÷ Ig〔Ω〕600 ÷ Ig〔Ω〕
0.5275.0150.0300.0
5625.050.0100.0
101113.627.354.5
20217.114.328.6
30314.89.719.4

許容値が小さいほど、施工で満たしにくくなります。遮断時間の条件を満たせば、表の 300 ÷ Ig・600 ÷ Ig を使えます(2章)。30km の 150 ÷ Ig = 4.8Ω のように5Ωを下回っても、5Ω未満にする必要はありません(第24条第1項第二号)。

Ig は実測値や電力会社の提示値を使うことが多くあります。自営線の分の扱いは、電力会社との協議で確認します。

6. 特別高圧から低圧の場合

特別高圧は7,000V超です(電気設備に関する技術基準を定める省令 第2条)。B種接地は、特別高圧電路と低圧電路を結ぶ変圧器にも必要で、電圧の上限はありません(解釈 第24条第1項)。高圧との違いは次のとおりです。

B種接地抵抗の計算ツールは高圧電路用です。公称電圧が7,000Vを超えると、計算せず対象外と表示します。

7. 関連ツール

ご利用にあたって

この記事は一般的な考え方の整理であり、個別の設計の判断を代替するものではありません。実際の設計は最新版の電気設備技術基準の解釈、および実測値に基づいて行ってください。内容の利用によって生じた損害について、当方は責任を負いかねます。

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