この記事の要点
1.15/1.1
公称電圧が1,000V超500,000V未満のときの、最大使用電圧の係数
電気設備の技術基準の解釈(令和7年11月20日改正)第1条 1-1表
1.5倍
最大使用電圧が7,000V以下の交流電路の、交流試験電圧
電気設備の技術基準の解釈 第15条 15-1表
2倍
ケーブルを使う交流電路で、直流で試験するときの倍率(15-1表の試験電圧に対して)
電気設備の技術基準の解釈 第15条第二号
10分
試験電圧を連続して加える時間
電気設備の技術基準の解釈 第15条第一号・第二号
- 手順は3つ。公称電圧から最大使用電圧を求める → 15-1表の倍率を掛ける → 連続10分間加える。
1. 耐圧試験とは
高圧又は特別高圧の電路は、解釈 第15条の絶縁性能を満たす必要があります。試験電圧を電路と大地の間(多心ケーブルは、心線相互間と心線と大地の間)に連続して10分間加え、耐えることを確かめるのが耐圧試験です。
低圧の電路は、耐圧試験ではなく第14条で絶縁性能を確かめます(絶縁抵抗測定が困難な場合は、漏えい電流が1mA以下であること)。変圧器・回転機などの機械器具は第16条で別に定められています。
2. 最大使用電圧の求め方
最大使用電圧は、通常の使用状態で電路に加わる最大の線間電圧です(第1条第二号)。公称電圧が JEC-0222-2009「標準電圧」の公称電圧に等しい電路は、公称電圧に1-1表の係数を掛けて求めます。
出典:電気設備の技術基準の解釈 第1条第二号イ 1-1表(抜粋)
| 使用電圧(公称電圧) | 係数 |
| 1,000V以下 | 1.15 |
| 1,000V超 500,000V未満 | 1.15/1.1 |
イに当たらない電路は、電源となる機器の定格電圧(変圧器は最大タップ電圧、電源が複数あれば最大のもの)です(ロ)。計算や実績でこれらを上回ると想定されるときは、その電圧です(ハ)。
3. 試験電圧の決め方
出典:電気設備の技術基準の解釈 第15条 15-1表(抜粋)。電路と大地の間に連続して10分間加える
| 最大使用電圧・電路の種類 | 試験電圧 |
| 7,000V以下の交流電路 | 最大使用電圧の1.5倍の交流電圧 |
| 7,000V以下の直流電路 | 最大使用電圧の1.5倍の直流電圧、又は1倍の交流電圧 |
| 7,000V超 60,000V以下で、15,000V以下の中性点接地式(中性線を多重接地するものに限る) | 最大使用電圧の0.92倍 |
| 7,000V超 60,000V以下で、上記以外 | 最大使用電圧の1.25倍(10,500V未満となる場合は10,500V) |
電線にケーブルを使う交流の電路は、15-1表の試験電圧の2倍の直流電圧で試験する方法も選べます(第15条第二号)。7,000V以下なら、最大使用電圧の3倍です。
60,000V超の電路や特別高圧の確認方法は、第15条の別の区分です。本ページは7,000V以下を扱います。
4. 手順と例題
条件:公称電圧 6,600V の高圧電路(電線にケーブルを使う交流電路)。
- 最大使用電圧:6,600 × 1.15 ÷ 1.1 = 6,900 V
- 交流試験電圧:6,900 × 1.5 = 10,350 V
- 直流試験電圧(ケーブル):10,350 × 2 = 20,700 V(最大使用電圧の3倍)
- 加え方:電路と大地の間(多心ケーブルは心線相互間と心線と大地の間)に、連続して10分間
公称電圧 3,300V なら、最大使用電圧 3,450V、交流 5,175V、直流 10,350V です。
耐圧試験の試験電圧ツールに最大使用電圧 6,900V を入力すると確認できます。
試験の前後に絶縁抵抗を測るのは、実務上の一般的な流れです。解釈が定めた手順ではありません。
5. 試験機の容量と充電電流
ケーブルを交流で試験すると、静電容量に充電電流が流れます。試験機は、この電流に余裕を見た容量のものを選びます。解釈に定めはなく、実務上の見積りです。
I = 2π × f × C × V
条件:ケーブルの静電容量の合計 0.5μF、50Hz、交流試験電圧 10,350V。
- I = 2π × 50 × 0.5×10⁻⁶ × 10,350 = 約 1.63 A
静電容量は、メーカーのカタログ値か実測値を使います。こう長・条数に応じて合計してから入れます。
ご利用にあたって
この記事は一般的な考え方の整理であり、個別の設計の判断を代替するものではありません。実際の試験は、最新版の電気設備の技術基準の解釈と、対象設備の仕様に基づいて行ってください。内容の利用によって生じた損害について、当方は責任を負いかねます。
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