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耐圧試験は何ボルトか
最大使用電圧からの試験電圧の求め方

耐圧試験の電圧は、最大使用電圧に倍率を掛けて決まります。

この記事の要点

  • 手順は3つ。公称電圧から最大使用電圧を求める → 15-1表の倍率を掛ける → 連続10分間加える。

1. 耐圧試験とは

高圧又は特別高圧の電路は、解釈 第15条の絶縁性能を満たす必要があります。試験電圧を電路と大地の間(多心ケーブルは、心線相互間と心線と大地の間)に連続して10分間加え、耐えることを確かめるのが耐圧試験です。

低圧の電路は、耐圧試験ではなく第14条で絶縁性能を確かめます(絶縁抵抗測定が困難な場合は、漏えい電流が1mA以下であること)。変圧器・回転機などの機械器具は第16条で別に定められています。

2. 最大使用電圧の求め方

最大使用電圧は、通常の使用状態で電路に加わる最大の線間電圧です(第1条第二号)。公称電圧が JEC-0222-2009「標準電圧」の公称電圧に等しい電路は、公称電圧に1-1表の係数を掛けて求めます。

出典:電気設備の技術基準の解釈 第1条第二号イ 1-1表(抜粋)
使用電圧(公称電圧)係数
1,000V以下1.15
1,000V超 500,000V未満1.15/1.1

イに当たらない電路は、電源となる機器の定格電圧(変圧器は最大タップ電圧、電源が複数あれば最大のもの)です(ロ)。計算や実績でこれらを上回ると想定されるときは、その電圧です(ハ)。

3. 試験電圧の決め方

出典:電気設備の技術基準の解釈 第15条 15-1表(抜粋)。電路と大地の間に連続して10分間加える
最大使用電圧・電路の種類試験電圧
7,000V以下の交流電路最大使用電圧の1.5倍の交流電圧
7,000V以下の直流電路最大使用電圧の1.5倍の直流電圧、又は1倍の交流電圧
7,000V超 60,000V以下で、15,000V以下の中性点接地式(中性線を多重接地するものに限る)最大使用電圧の0.92倍
7,000V超 60,000V以下で、上記以外最大使用電圧の1.25倍(10,500V未満となる場合は10,500V)

電線にケーブルを使う交流の電路は、15-1表の試験電圧の2倍の直流電圧で試験する方法も選べます(第15条第二号)。7,000V以下なら、最大使用電圧の3倍です。

60,000V超の電路や特別高圧の確認方法は、第15条の別の区分です。本ページは7,000V以下を扱います。

4. 手順と例題

公称電圧から試験電圧までの流れ 公称電圧6,600Vに1.15÷1.1を掛けて最大使用電圧6,900V。1.5を掛けて交流試験電圧10,350V。ケーブルの場合はさらに2を掛けて直流試験電圧20,700V。いずれも連続して10分間加える。 公称電圧6,600 V 最大使用電圧6,900 V 交流試験電圧10,350 V 直流試験電圧20,700 V × 1.15/1.1× 1.5× 2(ケーブル) いずれも連続して10分間加える 公称電圧から試験電圧までの流れ 公称電圧6,600Vに1.15÷1.1を掛けて最大使用電圧6,900V。1.5を掛けて交流試験電圧10,350V。ケーブルの場合はさらに2を掛けて直流試験電圧20,700V。いずれも連続して10分間加える。 公称電圧6,600 V 最大使用電圧6,900 V 交流試験電圧10,350 V 直流試験電圧20,700 V × 1.15/1.1× 1.5× 2(ケーブル) いずれも連続して10分間加える

条件:公称電圧 6,600V の高圧電路(電線にケーブルを使う交流電路)。

  1. 最大使用電圧:6,600 × 1.15 ÷ 1.1 = 6,900 V
  2. 交流試験電圧:6,900 × 1.5 = 10,350 V
  3. 直流試験電圧(ケーブル):10,350 × 2 = 20,700 V(最大使用電圧の3倍)
  4. 加え方:電路と大地の間(多心ケーブルは心線相互間と心線と大地の間)に、連続して10分間

公称電圧 3,300V なら、最大使用電圧 3,450V、交流 5,175V、直流 10,350V です。

耐圧試験の試験電圧ツールに最大使用電圧 6,900V を入力すると確認できます。

試験の前後に絶縁抵抗を測るのは、実務上の一般的な流れです。解釈が定めた手順ではありません。

5. 試験機の容量と充電電流

ケーブルを交流で試験すると、静電容量に充電電流が流れます。試験機は、この電流に余裕を見た容量のものを選びます。解釈に定めはなく、実務上の見積りです。

I = 2π × f × C × V

条件:ケーブルの静電容量の合計 0.5μF、50Hz、交流試験電圧 10,350V。

  1. I = 2π × 50 × 0.5×10⁻⁶ × 10,350 = 約 1.63 A

静電容量は、メーカーのカタログ値か実測値を使います。こう長・条数に応じて合計してから入れます。

6. 関連ツール

ご利用にあたって

この記事は一般的な考え方の整理であり、個別の設計の判断を代替するものではありません。実際の試験は、最新版の電気設備の技術基準の解釈と、対象設備の仕様に基づいて行ってください。内容の利用によって生じた損害について、当方は責任を負いかねます。

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