この記事の要点
- 2%低圧の
幹線・ 分岐回路は、 それぞれ標準電圧の 2%以下 内線規程(JEAC 8001-2022) 1310-1 (1項)、 勧告 - 3%電気使用場所内の
変圧器から 供給される 場合の 幹線は 3%以下とすることができる 内線規程1310-1(1項)、 勧告 - 60m超最遠端の
負荷までのこう長が 60mを 超えるときは、 1310-1表で 緩めることができる 内線規程1310-1(2項・ 1310-1表)、 勧告 - 2%小出力の
太陽光の 逆潮流は、 パワーコンディショナから 引込線取付点まで 標準電圧の 2%以下 内線規程3594-3、勧告
- 計算は
「係数 × 抵抗率 × こう長 × 電流 ÷ 断面積」の 係数は形。 単相2線が 2、 単相3線が 1、 三相3線が√3。 必要な断面積は 式を 解き、 JIS公称断面積に 切り上げて決めます。 - 逆潮流のある
交流側は、 (式は電圧降下ではなく電圧上昇を 見ます 同じ)。
1. 電圧降下とは
電流が
- 機器が
定格より 照明が低い電圧で 動く。 暗くなり、 電子機器が 不安定になります。 誘導電動機は 始動トルクが 電圧の 2乗に 比例して小さくなります。 - ケーブルでの
損失が 単相2線式なら、増える。 降下した 電圧と 電流の 積が 損失です (三相3線式は、 その√3倍が 3本の 合計)。 - 太陽光の
直流側では、 パワーコンディショナは降下がそのまま発電量の 損失になる。 入力端の 電圧で 動作点を 決めるため、 取り戻せません。
2. 許容値の考え方
| 回路 | 許容値 | 根拠・ |
|---|---|---|
| 低圧の | 幹線・ | 内線規程1310-1 |
| こう長が | 供給変圧器の | 内線規程1310-1 |
| 太陽光の | 2%前後が | 公的規格・ |
| 逆潮流のある | 電圧上昇 | 内線規程3594-3 |
太陽光の
こう長が60mを超えるとき
供給変圧器の
| こう長 | 構内の変圧器から供給 | 低圧で受電 |
|---|---|---|
| 120m以下 | 5以下 | 4以下 |
| 200m以下 | 6以下 | 5以下 |
| 200m超過 | 7以下 | 6以下 |
こう長は、
%の
根拠とする
3. 計算の手順と例題
式と係数の意味
単相3線式:e = 1 × ρt × L × I ÷ A
三相3線式:e = √3 × ρt × L × I ÷ A
L はこう長
- 単相2線式の
「2」 は、行きと 帰りの 2本分の 抵抗がかかることを 表します。 - 三相3線式の
「√3」 は、線間電圧で 見た降下の 係数です。 電流位相がずれるため、 2倍ではなく約1.732倍です。 - 単相3線式の
「1」 は、負荷が 平衡して中性線に 電流がほとんど流れないとき、 外線1本分の 降下で 表せることを 示します (不平衡が 大きいと 不成立)。 内線規程 資料1-3-2では対地間(外線と 中性線の 間)の 降下で、 率も 対地電圧 に 対して見ます。 100/200Vなら100V に 対して2% (2V)です。
| 配線方式 | 係数 K1 | 降下を | 略算の係数 |
|---|---|---|---|
| 単相2線式 | 2 | 線間 | 35.6 |
| 単相3線式 | 1 | 対地間 | 17.8 |
| 三相3線式 | √3 | 線間 | 30.8 |
| 三相4線式 | 1 | 対地間 | 17.8 |
- リアクタンスを
含む式 (こう長が長く電流が 大きい幹線、 集合住宅の 幹線など):e = K1 × I × (R cosθ + X sinθ) × L。 R・ X は 電線1kmあたりの 交流導体抵抗と リアクタンス 〔Ω/km〕、 L は km。 - 略算式(こう長が
短く電線が 細い屋内配線など、 表皮効果・ 近接効果・ リアクタンスを 無視してよいとき):e = 係数 × L × I ÷ (1000 × A)。 L は m、 A は mm²。 この章の 式は、 これと 同じ抵抗分だけの 計算です。
銅:ρ20 = 0.01724 Ω·mm²/m、α = 0.00393
アルミ:ρ20 = 0.02826 Ω·mm²/m、α = 0.00403
温度は、
必要な断面積を求める
許容値 eallow〔V〕は
Amin = 係数 × ρt × L × I ÷ eallow
Amin 以上で
計算例(三相3線式、手計算)
条件:三相3線式 210V、
- 抵抗率:ρ40 = 0.01724 × {1 + 0.00393 × (40 − 20)}= 0.01724 × 1.0786 = 0.018595 Ω·mm²/m
- √3 × ρ40 = 1.7321 × 0.018595 = 0.032208
- 0.032208 × L × I = 0.032208 × 60 × 50 = 96.62(この値を
断面積で 割ったものが e) - 許容値:こう長60mは
「60mを 超える」 場合ではないので、 1310-1の 2% (1項)を 使います。 eallow = 210 × 0.02 = 4.2 V - 必要な最小断面積:Amin = 96.62 ÷ 4.2 = 23.0 mm²。
22 mm² に 少し足りないため、 JIS公称断面積では 38 mm² を 選びます。 - 検算:22 mm² の
場合 e = 96.62 ÷ 22 = 4.39 V (2.09%)で 許容値を 超えます。 38 mm² の 場合 e = 96.62 ÷ 38 = 2.54 V (1.21%) で収まります。
210Vは
略算係数 30.8 なら 30.8 × 60 × 50 ÷ 1000 = 92.4 で、
電圧降下の
4. 太陽光の逆潮流で電圧が上がる側の考え方
逆潮流があると、
- 小出力の
系統連系型太陽光発電設備 :パワーコンディショナから引込線取付点までの 電圧降下は 標準電圧の 2%以下 (内線規程3594-3。 勧告。 計算方法は 資料3-5-7)。 適用範囲は、 太陽電池モジュールから 中継端子箱・ パワーコンディショナ・ 引込口装置を 経て引込線取付点に 至る配線等で、 ACモジュールは 3595節が 別に 扱います。 - この2%は小出力の値です。施設には一般送配電事業者との技術的な協議が必要で(内線規程3594-10)、電気設備の技術基準の解釈(令和7年11月20日改正)第8章「分散型電源の系統連系設備」、資源エネルギー庁の「電力品質確保に係る系統連系技術要件ガイドライン」、系統連系規程(JEAC 9701-2024)を参照します。高圧連系などは、協議と系統連系規程によります。
- 電気事業法第26条・
同施行規則第38条 により、 一般送配電事業者は 標準電圧100Vなら101±6V、 200Vなら202±20Vに 維持します。 200Vの 上限は 222Vで、 低圧連系ではこれが 電圧上昇の 制約です。 - 逆潮流がある
場合の 受電点の 力率は、 原則85%以上で、 系統側から 見て進み力率にしません。 電圧上昇の 防止でやむを得ない 場合は 80%まで 制御できます (系統連系規程 JEAC 9701-2024 第2章 1-2、 ガイドラインの 記載)。 - 連系点が
上限に 近いと 余裕は 小さくなります。 たとえば215Vなら、 222Vまでの 余裕は 7Vです (仮定の 数字)。 3章の 例題 (電圧上昇2.54V)なら収まります。 - PCSの
過電圧 による出力抑制・ 停止の 整定値は 機種と 連系条件で 異なるため、製品資料と 連系協議で します。確認 - 式は
抵抗分のみで、 リアクタンス分を 含みません。 力率を 進み側に 調整した 効果は 評価できません。 - 高圧・
特別高圧連系では、 系統側インピーダンス による上昇も 加わり、 系統側の 短絡容量などの情報が 必要です。
5. ケーブルを太くするか、こう長を見直すか
e はこう長 L に
- 断面積を
上げる。 最も確実ですが、 ケーブル費・ 端末処理・ 配管・ ラックが 大きくなります。 許容電流で 決まっているなら、 こう長を 短くしても 細くなりません(ツールは、 どちらで 決まったかを 表示)。 - 並列条数を
増やす。 1条の太さは 抑えられますが、 施工の 手間と 配管の 本数が 増えます。 - こう長を
短くする。 接続箱、PCS、 分電盤の 配置を 見直します。 レイアウトを 決める 段階で 検討します。 - 電圧を
上げて電流を 同じ電力なら電流と下げる。 降下 e が 減り、 降下の 「率」は 電圧の 2乗に 反比例します。 太陽光の 直流側では、 ストリングの 直列枚数を 増やす方法です。 - 導体温度の
見込みを 抵抗率は確認する。 温度とともに 増え、 40℃から 75℃になると、 銅で 約13%大きくなります。
高圧ケーブルには
6. 関連ツール
- 電圧降下の
計算 直流・交流の 電圧降下と、 必要な断面積を 計算 - ケーブルサイズ・
配管サイズ選定 電圧降下と許容電流から 断面積を 選び、 配管サイズまで - 電線管サイズ・
収容本数の 外径と計算 本数から 電線管サイズ、 呼び径から 収容本数
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