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電圧降下・電圧上昇計算
(太陽光発電向け)

ストリングから接続箱、接続箱からPCS、PCSから連系点まで。電力〔kW〕と力率、または皮相電力〔kVA〕からも計算できます。逆潮流時は電圧上昇として評価します。

ストリング 接続箱 PCS 連系点 直流側 電圧降下 交流側 電圧上昇(逆潮流)
直流側では電圧降下がそのまま発電量の損失になります。交流側は逆潮流により電圧が上がるため、PCSの過電圧停止が論点になります。

計算する

標準電圧に自動設定。PCS出力電圧が異なる場合(420Vなど)や高圧連系(6,600V)は書き換え。単相3線式の%は、対地間(外線と中性線の間)で見るため線間電圧の1/2(202Vなら101V)に対する値。
最大電力点動作電圧 Vmp × 直列枚数。
PCSは力率1運転が基本。系統側の要請で進み運転になる場合がある。
公称断面積から選択。一覧にない場合は「その他」。
最高許容温度(90℃など)ではなく、運転時の導体温度。屋外の太陽光は40℃程度、架台下・管路内は60〜75℃も確認。
直流側は2%前後が設計目安。交流側は内線規程(JEAC 8001-2022)1310-1表を確認。

太陽光発電設備での考え方

出典:内線規程(JEAC 8001-2022)1310-1・資料1-3-2、電気設備の技術基準の解釈(令和7年11月20日改正)第46条、電気事業法(昭和39年法律第170号、2026年8月3日施行の現行条文)第26条・同施行規則(平成7年通商産業省令第77号、2026年4月1日施行の現行条文)第38条。直流側の許容値2%前後は業界の設計目安で、公的規格・規程に基づく数値ではありません。

考え方と根拠を開く
PVストリング 接続箱 パワコン 連系点 直流側交流側 ΔV(直流)ΔV(直流) 電圧上昇(逆潮流) 直流側は降下、交流側は逆潮流の電圧上昇。区間ごとに別々に見る
直流側は電圧降下がそのまま発電量の損失になり、交流側は逆潮流で連系点より電圧が上がります。基準の電圧と許容値は、区間(直流・交流)ごとに考えます。
  • 直流側の降下は発電量の損失。MPPT制御は入力端の電圧で動作点を決めるため、降下分は回収できません。ストリング〜接続箱、接続箱〜PCSの各区間で確認します。
  • 直流側の許容値2%前後は業界の設計目安で、日本の公的規格・規程に基づく数値ではありません。海外の例として、NEDO「地上設置型 太陽光発電システムの設計・施工ガイドライン 2024年版」技術資料(2024年5月31日)に、ドイツは「ストリングケーブルで1%、DCケーブルで1%の合計2%以下」、イタリアは「2%以内の電圧降下を目安」とあります。本来は、ケーブル費と発電量損失の経済比較で決めます。
  • 直流側は高温になるため、導体温度20℃での計算は楽観側。60〜75℃で確認すると、銅で12〜20%程度大きくなります。
  • 逆潮流のある交流側で問題になるのは電圧上昇。PCS出力端の電圧が連系点より高くなり、大きいとPCSが過電圧で停止します。低圧連系では、電気事業法第26条・同施行規則第38条の標準電圧100Vなら101±6V、200Vなら202±20Vが制約です。
  • 高圧・特別高圧連系では、自営線・構内線の電圧上昇に系統側インピーダンスによる上昇が加わります。本ツールは構内線のみで、連系点での検討には系統側の短絡容量やX/R比が必要です。
  • 直流側PVケーブルの適用電圧:CV・HCV・EM CE/FはDC750V以下、PV-CCはDC1,500V以下。太陽電池モジュール間、モジュール〜接続箱間、接続箱〜パワーコンディショナ間の直流配線に使います。
  • PV-CC:太陽光発電用、遮蔽無し、DC1,500Vまで。架橋ポリエチレン絶縁・シースのハロゲンフリー品で、焼却してもダイオキシンやハロゲンガスを出さず、発煙も少なく腐食性ガスも出ません。JCS 4517適合のS-JET認証品、一般流通は2.0〜8.0sq。
  • EM CE/FもPV-CCと同様のハロゲンフリー品。上記4品種は鉛などの重金属を含まず、埋立処理しても溶出の恐れがありません。シース標準色は黒・白(CV、HCV)、黒(EM CE/F、PV-CC)。
  • PV-CQシリーズ:DC1,500V以下、太陽電池モジュールからパワーコンディショナまでの区間。架橋ポリエチレン絶縁・架橋ポリオレフィンシースのハロゲンフリー品で、適用規格は電気設備の技術基準の解釈(令和7年11月20日改正)第46条。単心のPV-CQ、2個撚りのPV-CQD、4個撚りのPV-CQQ、コルゲート付きのPV-CQD-MAZV、コネクタ付ケーブルにも対応。
  • 表示する許容電流は気中暗渠1条布設、基底温度40℃、導体最高許容温度90℃の値。コルゲート付きのPV-CQD-MAZVのみ、直埋1条布設(埋設深さ1400mm)、基底温度25℃、導体最高許容温度90℃の値です。布設条件が異なる場合は使えません。多条布設、管路、日射のあたる架台下などでは低減が必要です。
  • 600V H-CVは定格電圧600V以下、定格温度90℃で、電気用品安全法の〈PS〉E適合品です。
  • 提案サイズには、電圧降下と許容電流のどちらで決まったかを表示します。許容電流で決まる場合、こう長を短くしても細くなりません。
  • 高圧ケーブルは22mm²未満の設定がなく、サイズは短絡電流に対する熱的強度と機械的強度で決まります。
  • 既定は断面積を入力せず、許容電圧降下率から必要な断面積を逆算し、JIS公称断面積に切り上げます。手持ちのケーブルは「指定したサイズを確認する」で確かめます。
  • 導体温度は最高許容温度とは別物。最高許容温度(90℃など)は絶縁体の上限で、許容電流を決めます。基準周囲温度(30℃など)は許容電流表の前提条件です。電圧降下の抵抗率は、運転時に導体が達する導体温度で決まります。
  • 抵抗分のみの略算で、リアクタンス分は含みません。断面積の大きい交流ケーブルや、力率が1から離れる条件では誤差が出ます。

計算式

考え方を詳しく

許容値の置き方、式の係数、手計算の例題、逆潮流の電圧上昇は、電圧降下の許容値は何%か|考え方と計算の手順で解説しています。

ご利用にあたって

計算結果は略算による参考値です。実際の設計は最新版の内線規程、電気設備技術基準の解釈、系統連系規程(JEAC 9701-2024)、および使用するケーブル・パワーコンディショナの製品資料に基づいて行ってください。本ツールの利用によって生じた損害について、当方は責任を負いかねます。

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